「ジオヴァーナ・ロウ」の版間の差分

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2,182 バイト追加 、 2024年8月22日 (木) 10:40
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== 設定・TIPS ==
== 設定・TIPS ==
*人格形成にまつわるエピソード
昔、私が7歳の時。侍女のケリーがお父さまの金庫から宝石をくすねるのを見た。
母は「どうせお前がやったんだろう」って言って私を責め立てた。真実を話しても取り合ってもらえなかった。
お兄様だけが庇ってくれたけど、その晩に母は「兄の格を傷つけるな」と言って私を倉に閉じ込めた。
外で、お兄様が私を呼ぶ声が聞こえた。きっと、返事をしたらまた責められる。私も、そしてお兄様も。
私は黙って夜を明かして、次の日に「自分がやった」とお父さまに言ってやった。
これが私の親にぶたれた最初の記憶。
母の言葉は私を鋭利にした。いつも何かに焦って怯えてる母もまた、そうしなければ生きれないのだろう。
父の不干渉は私を孤立させた。より大きな存在になびき、不服を飲み込む事は「楽」な生き方なのだと彼から学んだ。
兄の優しさは私を追い詰めた。こんな厳しい世界に「生きるだけ」なんてことを強要してくる。
お父さまはよく弦楽器の手入れをしていた。そんな私にお父さまが一度だけ見せてくれた「ロウ家の秘密」がある。
それは蔵の奥に念入りに隠された一本のギター。ギターのような楽器は母様が嫌いで家にはないと聞いていたが、どうやら違ったらしい。幼い私はそのギターの洞(うろ)を見て「お父さまの目みたい」と零した。反射的に自身の失言を悟ったが――お父さまは何故か笑った。続けて「お前は私に似てしまったんだな」と言うあの人の顔はどこか悲し気だった気がする。
その日からずっと、家族に内緒で昔のギター用の楽譜を使って練習をし始めた。今でも、お父さまのあのギターの音色を私は忘れられない。ヴァイオリンの弦を弾くとき、いつもあの音が脳裏を過る。
それがきっと私の起源なんだろう。


== 外部リンク(ファンアート等) ==
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